mamba mental

NBA史上最高の選手の1人であるということとは別に、コービー・ブライアントは「ブラック・マンバ」というニックネームでも知られ、そのマインドセットは「マンバメンタリティ」と呼ばれている。
多くの人がそのマインドセットを、「勝利の為に持てる全てを捧げること」や、コービーの持つ「圧倒的な競争心」と考えているが、「マンバメンタリティ」の本当のルーツを知る者は少ない。
最近、ブライアントはSouth China Morning Postの取材において、「マンバメンタリティ」はブルース・リーのジークンドー(截拳道)の哲学から影響を受けていると話した。
ジークンドーの哲学から学んだ数多くのことの1つは「適応できること」だと、コービーは語る。
つまり、「いかなる状況にも反応できるような、完璧な基礎的なスキルを身につけるということ」 である。

リーは生前「私が恐れるのは、1万通りの蹴りを1度ずつ練習した者ではない。たった1つの蹴りを1万回練習した者だ」という言葉を残している。

リーはコービーの人生において大きな役割を果たしており、彼に成長しようというインスピレーションを与えている。
コービーはリーが書いた全ての本を読み、出演した全ての映画を観た。それらはコービーをより良い人間にする大きな手助けとなった。
「ブルース・リーは、どんなときも自分を成長させるミューズの1つだった。彼が書いた本を全て読み、彼が出演した映画を全て観て、そして、彼のインタビューもほとんど全て見たと思う。彼は、知識を共有するのが本当に得意で、そして他に影響を与えたいと強く願っていた。喧嘩の仕方を習ったわけではないが、武道を通じて、良い人間になる方法を習った。それは自分(コービー)が将来の世代に受け継ぎたいことだ。」と語る。
MVPと5回のチャンピオンシップを獲得したコービーは、自身がリーのファンであることを公表するのに躊躇はない。
コービーは過去のシグニチャーシューズ(Kobe 11)のデザインを通じてブルース・リーに敬意を示しており、それはコービーが受けた影響の大きさを示している。
亡くなった1973年まで、この俳優兼武道家は最も有名なセレブリティであり、世界中に多くの信奉者がいた。
それでも彼は謙虚であり、彼自身の武道を、彼の生き方、本、映画を通じて後継の指導者達に今でも教え続けている。
現在の世代は恐らくブルース・リーについてあまり知らない。しかし、コービーの背中と何百万ものファンを通じて、より多くの人がブルース・リーついて調べ、学ぶことになる。
リトル・ドラゴン(ブルースリーの中国名は李小龍)は鮮やかな人生を送り、今やコービー・ブライアントも彼のファンであることで知られている。それは彼の遺したレガシーが未だに生きていて、その影響が更に大きくなっている証拠でもあり、今やNBA史上最も人気のあったスター選手の1人も、彼を心から尊敬していると認めるほどだ。

元記事:Lakers news: Kobe Bryant on Bruce Lee inspiring ‘Mamba Mentality’by Victor Galvez 
https://clutchpoints.com/lakers-news-kobe-bryant-bruce-lee-inspiring-mamba-mentality/ 

【Circle's Insight】
僕は19年コービーファンですが、マンバメンタリティのルーツがブルース・リーであることは知りませんでした。JUMP ATTACKの著者で、マイケル・ジョーダンのトレーナーであったティム・S・グローバー氏は自身の著書の中で、ジョーダンの他、コービー、ウェイドについても言及しており、彼らが共通して持っている性質を、"Relentless"という単語で表していました。「容赦がない」という訳になりますが、つまり、勝利の為にとことん自分を追い込み、常に高みを目指す、ということだと理解しました。そんなコービーがメンタル面、更には人間として大きな影響を受けたというブルース・リー。彼のことについては名前を知っているくらいで、映画を観たり、本を読んだりしたことはありません。ただ、彼がサンフランシスコの中華街で生を受けたというのには、親近感が沸きました。なので、近いうちにまずはNetflixで映画を見てみようかと思います。最後の文にもありましたが、人のレガシーというのはこのようにして受け継がれていくのでしょう。自分のようなコービーのファン(この記事を読んでいる方もおそらく)はコービーを通じてブルース・リーに興味を持ち、彼の哲学を学びます。もう何十年も前に亡くなっていますが、ブルース・リーの精神は今だに生きているといえます。最後にNBAの話に戻りますが、僕がNBAを見始めたころの選手はもうほとんどいませんが(カーター、ノビツキーくらいか)、そのころにスターだったアレン・アイバーソンはステファン・カリーやカイリー・アービングにも大きな影響を与え、今彼らがNBAでプレーし、次の世代に影響を与えています。このようにしてレガシーは受け継がれて、そして進化していくのでしょう。

M.M